3ème édition Revel - Montastruc 8月8日


距離 130km
カテゴリ 2.3 jr
結果 優勝


天気は快晴。気温も高いがフランスなのでカラっとしている。

レースのスタート会場に行く途中に、目的地を間違えてしまい、ゴール地点のMontastrucに行ってしまうトラブルもあり、時間的に少し焦ったが、この凡ミスが後のアドバンテージになる。

 
 
レース会場へ到着し、受付を済ましてからチームメイトと監督に今日のコースについて話を聞く。山という山は無いが、とにかく1.5〜3kmのアップダウンが連続するとのこと。そして最後のゴールは激坂200メートル。


補給食のメイタンCCを6つ、スーパーで売っているジャムの菓子を背中に入れて、14時にレーススタート。



スタートしてから3kmほどパレード区間があり、先頭で走る。正式スタートが切られ、すぐにアタック合戦開始。自分もチャンスが来れば仕掛けていく。
2回程自分で抜け出したときに、脚が重く「あちゃー。完全に昨日、一昨日のレースの筋疲労がキテルな・・・今日は勝つのは厳しいな」なんて思った。でもそうやって思えるだけ、昨日も一昨日も一生懸命踏んだとは思う。



スタートして15kmぐらいで10人ぐらいが抜け出す。自分の居るメイン集団は逃げを容認というか、まだ早いだろ。。という雰囲気。メイングループは余りにもスローダウンし、逃げ集団との差は1分半。スピードで言うと30km/hで走っているような状態で、非常に遅い。


一人ミディピレネーピレネー地方の)チャンピオンジャ−ジを着用する選手がアタック。自分はちょうどその選手の後ろに居たので自分もダッシュで追いつき2人で抜け出す。一緒に追っている選手は強い選手だと認識していた。前回の遠征でも登りのパワーが凄くて、自分は何度も負けていた選手。



後ろのメイングーループは、まだやる気が無し。しかしここからはアップダウンが続くので、先に抜け出して置くのは正解だと思い2人で100パーセント協力状態で走る。

10人程の先頭グループ→45秒(ピレネーチャンプと自分)→先頭から85秒メイングループ というボードを見せられる。




20km過ぎて1回目の登り坂、1.5kmぐらい。相手のペースで登る。すぐに下ってまた2kmの登りここは先頭交代しながら登りきる。先頭で下りに入り、ワインディングをガンガン踏んでいたら、後ろに居るはずのチャンプが消えた。登りは強いけど下りは遅かった。


自分と前との差は20秒。まだレースも距離は長いため、なかなか全開では追えない為に20秒から詰まらず、現状維持状態。

そのまま2km程の登りに入る。自分の走れるある程度のスピードで走るがスピードが及ばず先頭グループと自分のタイム差は35秒。そして後ろのメイン集団のペースも上がり、先頭グループ⇔メイン集団の差は55秒。


それを知り、ここで一人で無理するメリットは無いと判断。ゆっくり登る。頂上200メートルで勢いの付いたメイングループに吸収。逃げたタイム的なアドバンテージで息も上がらず登りクリア。
先頭集団8名⇔メイン集団という状況。 




メイン集団は2チームがコントロールしている。自分は何もせずに流れに乗って休む。50km地点からまた1.5kmほどの登り坂が始まる。勾配はそこそこあったと思う。集団前方で入るが苦しくて、位置を下げながら走る。アタックが掛かっていたが、幸いなことに何事もなく丘を越えた。



その後の下りでアタックしたりするものの決まらず。60〜70km地点からド平坦区間
そこでメイタンCC飲みながら景色を見て気づく。この道はやはり今朝、来る途中に間違って通った道だ と。この平坦区間が終わった後はまた3回ないし2回は2km程丘のアップダウンが続き、ゴールの町へ到着する。
前のグループの勢いは衰えて差は20秒程。備える。集中し直す。そしてマークするべき選手をチェックした。


1回目の丘。登りに入ってすぐに先頭グループを確認、前の強い選手の動きに対応していく。登りの途中で4人で抜け出す状態になるが、ハイペースに耐えられなかった2人が脱落し前のグループを自分とあと一人の強い選手で抜いて先頭で下りに入る。この時点で80km弱の地点。
自分は苦しかったので、ある程度で先頭交代していたら、すぐに後ろの13人の集団に追いつかれた。そして15人で完全にトップグループ形成。
まずこの先頭グループに入れたことで、一息。先手でレースを展開するのはやっぱり大切だ。





チームで複数名、この逃げに入れているチームはブラニャック2名新城幸也選手がアマチュア時代に所属したチーム)と、自分のチームはなんと3人。他の選手は皆、単独だった。

この状況で自分がアタックすべきか?否か?少し考える。他のチームメイトにアタックしてもらい、自分は最後のスプリントに備えるのが理想だが、チームメイトに脚に余裕は無さそうだったので自分で行くことに決めた。そうすれば、もし自分のアタックが失敗しても、自分が逃げている間はチームメイトは先頭に出る必要が無くなるので、チームメイトにとっても有利な状況を作り出せる。逆に誰かが、アタックしたら自分のチームは人数を揃えているので非常に厄介な状況になる。


なんて考えながら、また1km程の登り区間に入る。予想以上に自分の脚にも余裕が無く、中切れもあり千切れてしまった。
その後、前のスピードが緩んだのもあり、下りで踏んで踏んで、踏んで、踏んでギリギリ追いつく。これは危なかった。



もう苦しくて距離数はわからないが、そのあたりから集団のペースがガクっと落ちて平坦を皆でダラダラ40kmぐらいで先頭交代するような状況になる。あーチャンス。チャンス。と思い、平坦でアタック3連発。
一発目、失敗。
第ニ発目、3人で抜け出すが失敗。でも皆口が開いて苦しそう。
第三発目、1人で抜け出す感触がしたので、後ろを全く確認せずに踏み続ける。後ろを見るという動作は、精神的にだけど、後ろの集団にとって有利な気がするから見なかった。残り28km。こっから一人で逃げ切って両手挙げてゴールしたらカッコいいわなんて思うが、まだあと1回、勾配のキツい1.5km程の坂があることを思い出す。





後ろとの差は一気に42秒、50秒、55秒と順調に開いていった。前に見えるのはコミッセルカー。自分を信じて走るのみ。残り10キロで55秒。これはホントに逃げ切れるかもしれない、そうすればまた新しい境地に入れる。入りたいと思い、下りも攻める。


下り区間が終わった直後の交差点。前のコミッセルカーは直進、疑う訳もなく直進。すると後ろのタイム差を伝えるコミッセルバイクから「アドワット(フランス語で右へ)」と言われる。
道間違えないでくれー。。。
曲がりきれる訳も無くコースアウトして落車。焦るが、タイムロスを最小限に収めることだけ考えて再スタート。
さっき間違えたコミッセルカーは「パルドン、ムッシュー」とマイクで伝えてまた前に出てくる。勝ったら許してあげよう・・・。





すぐに45km/hぐらいまで加速し、ハンドルの真ん中の部分に腕を置いて、さらにダンシングを極力我慢して空気抵抗低減に努める。このような状況に陥ると、いつもの練習思い出す。この時点で後ろとのタイム差は43秒。

残り5キロ。まだか、坂はまだか!?と思っていると。。。バイクが前に急に出てきて、ライダーが「ア・ゴーッシュ!(左へ!)」と叫ぶ。
またかぁーよ!!!と思い、ブレーキ掛ける暇も無く左旋廻。ギリギリ曲がり切れずコース脇の砂利をフロントホイールで踏み、2回目の落車。



今回は左ひざで全ての重力+遠心力を受け止めてしまい、さすがに痛くて悲惨だった。しかし体は勝手に落ちたチェーンを直し、ペダルをはめてスタートしていた。もう怒りながら踏んだ。
そして残り約3km地点程の登り坂へ。つづら折りの登り坂で勾配は10パー以上あってスピードは出ない。垂れるの覚悟でスピード上げて必死で登る。
中立的な立場のコミッセルバイクのはずだけど、2度も落車したからか、声を沢山かけて励ましてくれた。少しでも後ろ見たら「後ろ見るな!あと3キロだ!」と喝。






登りの頂上手前で1人追いつかれそうな程、接近している。相手は確実に、自分よりももっとキツイはずだからここで無理して1人で逃げ切る事を考えるよりもラスト1km、二人で走ってスプリントで蹴落とす方が確実に1位を取れると判断した。頂上付近で追いつかれるようにスピードをコントロールして合流し。二人でラスト1kmのゲートを通過。


二人でラスト500メートル。勝つか負けるか最高に楽しいゲーム。
ラスト300メートル、200メートル確実に20パー以上在ろうという、激坂が見える。恐ろしく感じるほどの勾配。 


ラスト200メートル、登り口から掛ける奴はさすがに居ないよな。でも登り口から行けば相手に精神的ショックを与えられるだろうな。うヒヒヒ。と思って、上り口からスパートする。もちろんインナーギア使用。踏む。沿道からは「アレ!トモ!」と何人も呼んでくれていた。サポートで来てくれている高橋メカもゴールラインで興奮しているのが見える。踏む。踏む。後ろ見る。相手は完全に諦めていた。というか、あまりに早いスパートに呆れていたのかも。






勝った。そう思った時に、今年一番苦しいレースだったからか、涙が出てきた。嬉しかった。
そして本当に落車して諦めなくて良かったと思う。運も良かった。





搬送1


搬送2


自分だけの力でここまで走れる訳がなく、沢山支えてくれている方が居て、応援してくれる方が居てくださり、こうやって自分は走れていると思っています。
そして、もっと厳しいレースが沢山あるので、慢心することなくこれからも日々精進します。


木下智裕

リザルト→http://comite.mpy.ffc.pagesperso-orange.fr/resultats/classement/montastruc080810.htm







毎日、治療のために病院通っています。膝曲げられないと、関節が硬くなっていくので辛い。まあ休みます。