La Vuelta a Valencia レポート

帰国最中のTGVより、Vuelta a Valencia(スペイン・バレンシア)のレースレポート。


【第一ステージ】

平坦基調の140kmレースで、少しテクニカルな部分があった。具体的にはロータリーが多く、風向きに注意するということ。


80km地点程までずッとアタック合戦。常にチームは逃げに選手を入れて行く攻撃的なレースが出来ていた。

その延長線上で、寺崎選手が大きな逃げに乗って逃げる。差は開いたが、逃げに乗せていない他の2チームが集団を牽引。

横風がキツいので、逃げに入れているチームとして前にポジショニングする。しかし、寺崎が逃げに乗った後チームの気が緩みすぎていたように思う。

レースはいつ決まるかわからない。常に次自分が出来る展開を考えて動かなくてはいけない。

後ろ下がり、チームメイトをに声を掛け、前に隊列を作るようにする。「寺崎が前に行ってるから前で走らなくてはいいのでは?」と提案されたが、今後の横風がキツくなりそうな事を伝えて了解してもらう。

集団コントロールしている前の2チーム以外は、横風を受ける為にそこそこ苦しいのだが、中切れやスピードの上下が少なく、クラッシュのリスクが少ないので、前にポジショニング争いをする。

100km地点程で逃げが吸収される。今までチームメイトが逃げていたおかげで余裕を持って次の展開に備えられた。今まで脚を使って逃げていた、苦しそうなキャプテンの顔を見て、「今度は俺が行く番。」と、気合を入れる。

一瞬のタイミングを逃がさないように注意し、どんどん前に上がっていく。しかし後ろを確認したら秋丸選手しか居なかった。

予想通り横風区間でペースが上がる。グッドポジションで横風区間を走る。
前に食らいついていて後ろを見るとプロトンは破壊されていて、前は15人程に絞られる。

この逃げには後ろに付いていた秋丸も入った。2人の力で勝利を目指す。

逃げの展開は秋丸がチェックし、自分は最後のスプリントに脚を残しながら、危険なアタックに乗っていく。

逃げグループは、均等にローテーションしてペースを維持して、集団が見えなくなった。

残り20kmから2人が抜け出す。

まだ残り20km、フラットで強風のコースを25人から逃げ切ることはほぼ不可能!そう思って見送る。

しかし、その冷静な判断が誤算だった。最終的にタイムギャップがなかかか詰まらず、先頭二人が力で踏み切って逃げ切り。

自分たちは7秒差でゴール。最後のスプリントでは、ロータリー通過時のポジショニングを完全にミスをして、全くダメ。

滅多にないビッグレースを勝つチャンスだった。しかも最後の3位争いでは、実践形式でのスプリントトレーニング不足が露呈された結果だと思う。

今後はトレーニングに目的意識を強く持たなくてはと思った。




【第二ステージ】

新人賞3位で迎えた翌日、コースは最後の登りがキツイが逃げていく展開を狙うが、60km地点でパンクし、チームのサポートカーは故障していて使えず、復帰出来なかった。

離れて行く集団を見て、一瞬で目標にしていたレースがパーになり、すべてが嫌になって叫んだ。
しかし運が良い、悪いのもずべて自分に原因がある。そう受け入れるようにした。

今後の国内シーズンにこの悔しさをぶつけてみる。


木下智裕