Tuggen Challenge レポート
大会名: Tuggen Challenge
開催日: 2013/4/20
開催場所: スイス Tuggen
カテゴリー: スイスカップ
リザルト: 第一ステージ 5位 第二ステージリタイア
【レース目標】
トレーニングとして負荷を掛ける。
今後のレースのセレクションにしっかり入る為にも、しっかり走れるところをアピールする。
転ばない。そのために逃げ続ける。前で走り続ける。
【コース】
10,6km×16周でトータル166km。
車二台がすれ違うことが出来ないほど道幅が狭い。風が吹いた場合、かなりサバイバルな展開になる。どちらにせよ集団内での位置どりが重要となるコース。
また途中二箇所1km程の未舗装区間があり、かなり危険。今後は舗装されると思う。
【レース展開】
スタートは、特に風も無いので一番後ろに並んだ。前日から雪が降っている。コース脇は真っ白。レインウエアを着たまま、レッグウォーマーの上にニーウォーマーを着用した。もちろん上は長袖二枚重ね。
スタート。ニュートラル走行もなく、いきなりレースが開始。道幅がどんどん狭くなり、後ろにいたので、集団の先頭ははるか彼方。前ではアタックが掛っていて、この時点でかなり息が上がっているので、予想通り今日は調子が悪いということを感じる。
先週まで今年最大の目標としていたネイションズカップを高いモチベーションで走り切り、すぐに集中力が回復する訳がないから。
最近、結果が出ないから調子が悪い、あるいは悪い結果だから調子が悪い。そんな風に軸を常にブラして考えていては、自分の本当のコンディションは掴むことは難しい。
話がそれてしまいました。
まず一周目はコースの危険箇所を覚えることに集中。
道が狭くてなかなか前に上がれない。こんなところで落車に巻き込まれたら最悪なのでどんどん集団の隙間を見つけて割り込んで前に上がって行く。
途中ダート区間が現れ、集団は一列棒状で。石畳を走る感覚で、ハンドルは握らず、少し回転数を下げて、ペダルにトルクを掛ける意識で走った。
他の選手がアタックを見極めながら、決まるアタックに反応していく。
まずは二人の選手が逃げる展開。BMCレーシングU23の選手ととドイツ人の選手。
どんどん離れて行く二人の背中を見てのに、ここから逃げたらトレーニングには最高だと思い、全開でスプリントしてアタックした。
全開で追う。
逃げを追う時のペース配分は感覚的で流動的なものなので言葉にするのが難しいが、簡単に言うと効率の良い追いつき方をする。
アジア選手権の時、僕は50秒先を先行する15人の逃げグループに向けて、単独でアタックした。その時は全開で追うけど、「50秒差を詰めること」を考えた上で、体力的に持続可能性なペースで追った。その時は5秒差まで詰めたところで、限界になりスピードダウン。結果として追いつかなかったけど、それはそれで良い勉強になった。
無事逃げに追いつき、60km以上逃げて約80km地点まで逃げて集団に捕まった。
捕まった瞬間にまたアタックがかかり、今度はWCCのチームメイト2名が含まれる6人の逃げが出来る。
もちろん集団を引いているのは逃げに選手を送り込んでいないチーム。風を受けて働く他チームの後ろで脚を温存し次の展開に備えた。
その逃げも100km手前で吸収。
さあここからが、脚の見せ所。今度もまた見極めてアタックして二人で抜け出す。
二人であと70kmを逃げ切るのは無理なので、後ろからの合流を願いながら、良いペースを二人で維持しながら走る。
すると10人以上のグループが追いついてきて、今度は決定的な逃げになった。
チームメイトが一人入っていてくれて力強かったが、ダート区間でパンクして後退してしまった。
あとは流れに任せて皆で先頭交代を繰り返し、後ろの集団を引き離して前だけの勝負にすしていく。
自転車レースは面白いもので、敵チームだろうと利害関係が一致すればお互い協力する。まるでビジネスだ。
途中から雨は止み、晴れ間が見えてきたのでレインウエアを脱ぐ。
オードビーでカスタムしてもらったサングラスは、nxt調光DAYレンズなので、こんな天気の移り変わりの激しいレースシーンでも、レンズの明るさコントラストをサングラスが調整してくれる。またオフロード区間の衝撃でもずれることは一切なくて助かった。
みんな強いのか、自分が踏めてないのか。
とても辛かった。
10人のグループ内でアタックが掛かり始めるが、僕は無反応。ひたすら食らいついているのみの状態が続き。
最後の最後まで食らいついていたらスプリントになったので、最後の力を振り絞り、ポジションを上げていく。
限界の中で勝つか負けるかの争いをする。練習ではできない強度の練習になった。
スプリントで5位。4位だと勘違いしていたが、前半の積極的に逃げていたことにより、総合成績では2位。
悪天候の中完走者は3分の1以下というサバイバルなレース。
レース後は顔が泥だらけで誰が誰だかわからないくらいだった。正直、あり得ない程危なコース設定だったと思う。
だからこそ、前半から落車のリスクを減らして逃げ続けたのは良かったし、それが個人総合の成績につながったのは良かった。
【第二ステージ】
総合成績のジャージを着用して迎えた二日目
昨日のレースで完走者があまりにも少なかったので、完走していない選手も走れるという救済措置が主催者側の判断でとられた。
【コース】
2.5kmの登りを含む10kmの周回コースを8周回のレース。
かなり登りが急勾配。
【レース展開】
昨日、調子が悪い中プッシュしたせいでダメージが酷く。
あまり覚えていないが
6周まで我慢して集団食らいついていたが、限界まで追い込んで千切れて降りた。
【良かった点】
調子の悪い中、無理をしすぎたが、監督へのアピールを含め、レース前に設定した目標を100パーセント達成した。
【悪かった点】
寒い中で、雪の中、もっとカロリー補給を行うべきだった。
【改善点】
しっかり食べてしっかり回復させて、しっかり寝ることを繰り返す。
World Cycling Centre /EQADS 木下智裕
使用機材
バイク SCOTT FOIL 10 + DURA ACE
サングラス オードビーカスタム FLAK JACKET NXTレンズ
ホイール MAVIC キシリウムSLS