「今回のコースはかなりキツい」

Lot et Garonne  


距離は140km

レース前のミーティングでコースの情報と、作戦確認。
「今回のコースはかなりキツい、チームから必ず逃げに乗るように」とのこと。
山岳ポイント 30km 65km 80km 120kmで80〜100kmは特にアップダウンが特にキツいとの情報。
高低差が200〜300mの登りを何度も繰り替えす感じ。

天気も晴れて少し暑いくらいだった。


13時半レーススタート。

前半から狂ったように速い。少しスピードが落ちたかと思ってメータに目をやると52km/h。とにかく速くて逃げが決まりそうにないので、ほんの少し待ってからアタックに参加することにする。しかしハイペースで進んでいる時は逃げが決まるテンポも早まるので、集中して前に位置した。

30km地点の登りは何も頑張らなくても前で上れた。この時にチェーンの調子が悪いことに気づく。
パワー掛けてダンシングするとチェーンが外れてしまう。いきなり外れてトルク抜けするので何度も転びかけた。後ろの選手にジャポネー!と怒鳴られる。
アウターのロー側から2、3枚目のチェーンの張りが強い時にチェーンが外れ易いのを察知し、インナーを積極的に利用した。
登りの得意なチームメイトが6人で抜け出すが、さすがフランスは集団の力が強いので下りで一気に吸収。

そこからまた平坦。くねくね道で道が細いので集団は長くなる。

タイで、福島晋一さんに聞いた集団のペースが速い(ゴール前のスプリント前のような)場合に、自分の位置を下げない動き方について教えてもらったので実践してみる。
すると最初はリズムが掴むまでは苦労したけど、次第に何か見えてきて、イメージ通りに出来るようになった。
ちょっとしたアドバイスだけど、自分にとってはとても大きなことだった。気づかせてくれてありがとうございます。とレース中に思う。

次第にペースが落ちるようになって来る、そして集団の密度が高くなってくるのを感じ、そこから自らがアタックしていく立場に回る。

この時にしっかり動けるか動けないかが重要で、自分と同じようにアタック合戦が緩むのを少し待ってから抜け出そうとする選手は多い。そのような時に限って、アタック出来る位置にいるのは難しく、一瞬で決まってしまう場合が多いのでタイミング的かなりシビアになる。さらに道が狭ければ狭い程、アタックする脚はあっても前に上がるタイミングを逃して、アタック出来ない事もある。


前半からアタック合戦に参加していたはずのチームメイトも、なかなか確認出来なくて、前にいるのは自分とミカエルダミアンだけだった。

交互にアタックしていく。もう自分が有利だと思ったら、自分からバンバン仕掛けて行く。今の自分は弱いと思いつつ、だからこそペースが緩んだチャンスを最大限生かすべく仕掛ける。

今回は例のアドバイスもあり、道幅が狭い区間で脚を使える位置にいたので、これでもかというくらい攻撃するが、なかなか決まらない。

でも決めました。吸収されて、吸収され際のアタックして吸収されそうになって、また際どいアタックで、4人逃げ。
かなり追い込んだので、その後のローテーションがキツ過ぎた。やはりまだまだ力が無いな。
もっと10、15分ペース走で以前と同じようなパワーを出せれば違うだろう。


ここでようやく集団との差が大きくなり始める。コミッセルバイクも道が細くて前に来れないのでタイム差不明。

結局35kmくらい走り、65kmの山岳ポイントの登りで吸収される。
そしてミカエルダミアンがUSモントーバン、wendel等4名で抜け出して逃げ始める。

そこで集団が落ち着いてくれたので回復できた。
チームカーからボトルを受け取り、これで今日は終わりか?終わりじゃないか?と聞いたらまだ後半キツいから逃げは決まらないと思うので、チームで前方で固まって勝負どころに備えるように言われる。

よかった。まだチャンスあるぞ。と自分に言い聞かせ、嬉しかった。


80km地点からのアップ&ダウンの厳しい区間に入るが、逃げに乗せていないチームが集団をきっちりコントロールしていたので、そこまでキツく感じなかった。でも周りの選手の表情はキツそうだったのを見て気分よかった。こんな感覚久しぶり。

photo by Soren

結局ミカエルの乗った逃げも110km地点程で吸収される。吸収される時はかなり集団の緊張感が増して位置取りして次の展開に備えた。

ただ前半のハイペースと、道幅がタイトなことが影響してか、なんとなくのアタック合戦になっている。自分は120km地点の登りに警戒心が強くなって、いい位置で登り始めることしか考えていなかった。
頼むから逃げは決まらないでくれと、実力不足ゆえの神頼み。

そんな願いが通じて、登りが見えてくる。いい位置で入れたが、さすがに最後はもの凄いもがきあい。
そこまでオールアウトのリスクと戦いながら、先頭集団でクリアできる位置で登る。
勾配が3%程になり、更にペースが上がりさすがにインナーで対応出来なくなったので、アウターに上げる。キツいがそこまで辛さを感じない。ただ単に追い込めていないだけかもしれないけど。

前方で走っていると、しばらくして。チェーンが急に落ち、トルク抜けしてまた転びそうになり、後ろのwendelの選手に再び怒鳴られる。こんな大事な場面では怒鳴られて当たり前だ。


チェーンを直して再び走るが、踏み込むとまた落ちる。集中力が切れた。
そこからはまた勾配がキツくなり、あと2km程で山頂だった。
集団から千切れて、一気に脚にキツさを感じた。

そこからは。次のレースの事も考えて7人くらいでラスト20km最後までペース落とさずに走りゴール。

photo by Soren
レースの最後は結局集団ゴールだったらしい。やはり集団が強い。


今回のレースは、エリートナショナルのレースでレベルも高いはずだったけど、体の調子もよかった。
タイのレースで限界を超えた走りを数回出来たからだと思う。また今回のレースをこなして、コンディションが上向きになっていくと前向きに考える。
チームメイトも自分の走りを少しは認めてくれた感じがした。


普段の生活もっと頑張ろ。
普段の生活が一番大事。




今日は35分ローラー。乗りたくない中頑張った。